2010年08月24日

40日目(幽明一夜)

「百物語って知っとるか?」
 ミヅチくんがそんな話をしたのが王女様に戻ってきてからのランチタイム。
 別チームのガルフさん、ウーゴさん、ステラちゃんはお部屋に戻ってるので一足先に私と
ミヅチくんとレティちゃんでテーブル囲んでいただいています(レティちゃんのお連れの
お姉さんたちも後で来るんだって)。
「なぁに、それ?」
 絵本か何かかしら?
 と小首をかしげたら
「あ、知らんのか。俺の出身国の伝統的な怪談会のスタイルでな、怪談話を100個語んのや。
 で、100個語ると本物の怪が現れるっていう遊びなんやけどな」
 言い終えるとミヅチくんはもぐもぐとパスタを口に運んだ。
 ちなみに本日のお昼はトマトとバジルの冷製パスタ。
 フルーツトマト使ってるのか超甘い。おいしいーー。
 ウーゴさんのご飯も美味しいけど、王女様のシェフの料理も美味しいよねv
「へー・・・。面白そうだね!」
「楽しそう・・・」
「どっか空き部屋借りて、みんなで夜にしやへんか?」
「「うんっ」」
 
 てなわけで。
 ミヅチくんの指示どおり、ろうそくを集めて空き部屋を借りて会場をセッティングしました。
 100はちょっと多すぎるから30ぐらいにしてね。
 お遊びだし、ミヅチくんは妖怪だし、ユーリさんはセイレーンハーフだからホラーなイベント
なはずなのにほんと和気あいあいとしてていいなー。




 問題は。



「はぁ」
 思い出すだけでため息が出る。
「どうしたー?イソ?」
 ミヅチくんが声をかけてきた。
「今いる部屋の場所の書き置きは私の部屋に置いてきたんだけどね」
 昨日通信鏡で王女さまに戻ってくるよ、とは伝えてはおいたからそろそろこっちにマリー
ちゃんとプランくんが(実家から魔法陣で)来る時間だと思うんだけど・・・。

 タイミングよくノックの音がして、マリーちゃんとプランくんが入ってきた。

「やほー」
「お。なんだこれ?」
 ろうそくが沢山・・・。
 マリーちゃんが見渡してる。
 あぁ・・・。
「これはなー、マリー」
 かくかくしかじか・・・。
 
「あ」
 ミヅチくん。


 話しちゃった。


 みるみるうちにマリーちゃんの顔が固まっていく。
 青っ。
「あーぁ」
 プランくんも、あちゃーという顔になる。

「な、なんでそんなことわざわざするのおぉおおおおおおお!!!」
「マリー?」
 ひぃいいんっ。

 マリーちゃんが頭抱えて半泣きでおびえだした。
「マリー、お前?」


「あー。ミヅチ。マリーはホラー関係のものがまるでダメなんだよ。肝試しとか、心霊写真
とか、ホラー映画とか。害のない精霊とか妖怪とかマイトさんは平気なんだけど」
 いつもと違うマリーちゃんの様子にミヅチくんがびっくりしてたので、プランくんが捕捉する。
「へ?」

「こいつ、アンデッド系のモンスターとか全く駄目なの。あと夜の深い森とかな。討伐も
だから昼間のしか二人でできないんだよな」
 ははは。
 ぐりぐりぐり、とマリーちゃんの頭を撫でるプランくん。
「きょ、今日はも、お部屋でひとりで服でも縫ってる!やだ!」
 あうあう。
「はー・・・・・・。レティが悪いやつは切ってくれるだろうから大丈夫だと思うぞ?」
 プランくんの言葉にこくこくとレティちゃんがうなずく。
「うぅううでも、でもー」
 えぐえぐ。
 あーあ。マリーちゃん涙目。

 元はといえば、私とプランくん(と伯母さん、お母さん、おばあちゃま)が「何かいる」とか
小さい頃にさんざん何にもないところ指さしたせいなんだけどね。
 私たちは魔力として感じるところを「何かいる」と言ってたんだけど、マリーちゃんは魔力が
無いから霊か何かだと思いこんじゃったんだよねぇ・・・。
 まぁ、霊的な何かもそれとなーく魔力的なものではあるので微弱ではあるけどわかるんだけども。 


「ふーん」
 きゅぴーん。
 そんな音がミヅチくんのそばでしたような気がした。
「まぁ、プランの言うとおり俺やユーリやレティもおるし、何かあっても大丈夫やって。マリーも
一緒に楽しもうや〜?」
 あ、ミヅチくん。嬉しそうだぁ〜。
 女性耐性がないからって海とか夜の夜店巡りでさんざんマリーちゃんにいぢられたってプランくん
言ってたっけ・・・。
 いい笑顔だー。
 「慣れなきゃダメ」って言ってたマリーちゃんよりは言い回しが優しいねぇやっぱり。


 しばらく、ミヅチくんとマリーちゃんの参加する、しないの説得&拒否合戦を眺めてたんですが。



 プランくんがぼそり。

「・・・・・・ここ、海だからいるよな?イソ?」
「・・・・・・まぁ、ねぇ」
 マナとも何か違う何かがいるよねぇ。
 
 この島って何かしら異質な感じがするから気にもしてなかったけれど。
 集中すれば、いるかなー?

 うんうん。
 と二人で頷いていたら。

「いるわよね」
 ひょこ、とユーリさんが私たちに話しかけてきた。

 
「マナではない、何か。いるわよね」


「え?」


「私も見えたりはしないけど、そういう類のものに関してはなんとなく分かるから」
 にこ、とユーリさん。
「百物語?をすることに何かざわついてるような。そんな感じが海面から感じるわよ」



d40.jpg




 わ、私、そこまでわかんないっ。
 プランくんの方を見たらプランくんも同じだったみたいで、軽く固まってました。

「何か、起こるかも、ね?」
 にこ。

「「・・・・・・(汗)」」
「?」
 ユーリさんさすがセイレーンハーフ・・・。
 鋭い。

 

 ・・・・・・ちょっと。夜になるのが怖くなりましたwww

 



 

 〜〜〜〜〜間〜〜〜〜〜
 
 な、何も起こらなくてよかった・・・。

 あ、マリーちゃんはレティちゃんのそばで耳を塞いでうずくまってました(苦笑)
posted by ちさの at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記ログ